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佐藤朝之 日本救急医学会雑誌 2016 27: 701-705

バルンカテーテルにより間歇的止血と損傷部位の特定を行い、救命し得た大腿部刺創症例
佐藤朝之, 鈴木理穂, 方波見謙一, 斉藤智誉, 松井俊尚, 牧瀬博, 丸藤哲
日本救急医学会雑誌 2016 27: 701-705
医中誌ID:2017064785
doi: 10.1002/jja2.12120

論文へのリンク(外部サイト)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jja2.12120/full

著者コメント

圧迫止血では出血をコントロールできず、外科的に局所の止血を試みることも困難な出血性ショックを伴った大腿刺創の患者さんに対して、透視下で出血源の大腿動脈に腎静脈造影などの時に使用するバルンカテーテルを通してバルンで出血をコントロールして、ついでに造影を行って出血源をdetectして手術に持って行って救命することが出来ました。という報告です。そのときその場で使える道具を使って何とかした、というところが救急医っぽいなと思っています。

内容要旨

お孫さんのおもちゃを直そうとしていて、誤ってナイフを左大腿に刺してしまった高齢の男性が搬入されました。鼠径を抑えても局所からの出血は止まらず、局所から外科的に止血しようとしても著しい出血で視野が取れず。出血部位の特定もできないまま、多量の輸液、輸血を行っても血圧が低下してくる状態に陥りました。ふと、腎動脈造影などの時に使用するバルンカテーテルを使用して、出血のコントロールと出血部位の特定が出来るのではないかと考え、そのまま血管造影室に移動してバルンカテーテルでの出血コントロールを試みたところ上手くゆき、血管造影によって出血部位を特定することもできました。バルンカテーテルによる出血の制御下に血管再建術を施行し、患者さんは歩いて帰ることが出来ました。ショックが搬入されてくる所謂三次の救命救急センターには、動脈塞栓術などの経カテーテル的な手技を行える準備は整っているでしょうから、カテーテルをこのような止血のオプションとして使用することも可能なのではないでしょうか。